服を塗る
服は少々レイヤーがたくさん別れていますが、別々にカゲを塗るということはしません。カゲのレイヤーを一つで抑えます。
先の「紫の乗算」を応用して、「カゲをグレーで塗り、それをトーンカーブで紫色に変換して乗算する」という事をやります。
1.服のグループ(cloth)の中に新規にグループを作り、名前を「shadow」とでもつける。
2.さらに内部に新規レイヤー。白く塗り潰す。(内包しているshadowグループを後から乗算にするので、下には白色が出ません)
3.さらにその上に新規グループ。名前を「調整」としておきます。ここに調整用のトーンカーブを入れる訳ですが、まだ使いません。
4.Ctrl+Shiftで服のグループにあるレイヤーを全て選択範囲に読み込む。shadowレイヤーに合わせてマスク追加。これにより、服にのみカゲの効果を及ぼします。
5.shadowの中のレイヤーにグレーでカゲを描きます。 やり方は、先程と同様に新規レイヤーと比較暗の組み合わせで。
私はいつも、1カゲは65%、2カゲは30%と決めて作業しています。
作業しやすいように、レイヤーの選択範囲読み込みをうまく使って行きましょう。ぬりたい部分に合わせてCtrl+クリックで読み込みと、その上にかかっているレイヤーをCtrl+alt+クリックで除外、これの組み合わせです。
…流石にどこをクリックするかぐらいはもうわかりますよね。レイヤーパレットのサムネイルですよ。
1カゲはこれくらいで。
2カゲ。同様に、同じレイヤーに。
さて、shadowレイヤーを乗算にしていよいよカゲを落とすわけですが、このままだとカゲがグレーのままでかなり薄気味悪い事になります。よって、作っておいた「調整」グループに、トーンカーブレイヤーを作ってカゲの色味を変えてやります。
このようにして。トーンカーブのレイヤーは、領域ごとに3つ、「はてな+マント表+マント裏+ホウキの柄(?)」「靴+リボン」「白い部分」に分けました。
トーンカーブについての詳しい解説は、コラム「トーンカーブ」をご覧下さいませ。
この手法の特徴として、
・「肌に描かれた柄」が存在する場合でも簡単にカゲが塗れる
・中間色を拾うことも簡単
・下準備が微妙に面倒臭い
・
トーンカーブの扱いに慣れていないといけない
肌も同様の手法で塗りました。肌の場合、薄い肌色ぐらいのカゲの色になるように、トーンカーブを調節しましょう。
肌の頬紅。頬以外にも、腕なのど関節あたりにも赤を入れます。
ハイライト。肌グループの中にモード「スクリーン」のレイヤーを作って、そこに黄土色ぐらいの色でハイライトを入れます。
口を塗りました。肌の塗りは大体これぐらいで十分かと。
服にかかるハイライトをお馴染みの最上部の覆い焼きレイヤーに描き込む。あまりたくさん入れるとエナメル質みたいな服になってしまうので、適度な量で。
このあたりでキャラの塗りは一段落です。
さて、では最後の仕上げ、色トレスの作業に入ります。
経過ファイル(.psd)も最後に。