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CG講座- 6.シャドウ-髪の毛以外を塗る



ここからはパーツごとにサクサクと説明していきます。全て第4、5項の延長として捉えれば十分塗れます。


■目を塗る

私は目をそんなに描き込む方じゃないので、案外説明は簡単に終わります。今回光源は下からの光(下光)ですが、実は目は上からの光(順光)が当たってるものとして描いてます。下光の目なんてやっぱりどうしても不自然になったので…




↑黒目はこのように3つのレイヤーをクリッピングマスクでつなげています。ここでは下から順にレイヤーA,B,Cと呼びます。




↑ベースの「黒目」レイヤーがこれ。覆い焼きツールにてハイライトを入れただけ。




↑レイヤーAは目のちょっと濃い部分。パスを使って塗り潰した後、下部をちょっと消しゴムで薄くして、メニュー「フィルタ」>「ぼかし(ガウス)」をちょっとだけかけました。




↑レイヤーBはまぶたが瞳に落とす影です。レイヤーAと同じ色を使ってます。




↑レイヤーCはさらに濃い所。瞳孔というのか虹彩というのか良く私にはわかりませんがw


ん、光の玉はどうしたのかって?

光の玉には線画を消して欲しいので、線画のレイヤーの下にあるカラーのレイヤーの中には入れずに、線画レイヤーの上に新たに「エフェクト用レイヤー」を作り、そこに入れています。



↑見え辛いが一番上にある「e」グループに入ってます。e、tr、cは私がキャラを塗る上での3点セット。


目の塗り方は人により様々です。かくいう私もしょっちゅう納得が行かず描き方を変えてます。色々作品を見て、自分なりの塗り方を編み出して下さい。

■肌を塗る

肌の塗りは、瞳、髪と並ぶ美少女三大要素の一つです(?)

肌のキモは「ぷにぷに感」(←POP氏のCG講座本のマネ) 私の編み出したこのぷにぷに表現のコツをお教えしましょう。




まずは、第5項なんかと同じように、カゲ用のレイヤ−を作ります。そして、このレイヤーの上にカゲを描いて行きます…が、ここではパスでも鉛筆でも無く、ブラシツールを使います。




↑そして決め手はブラシの設定。硬さをほんのちょっとだけ下げるのがポイント。

あとはカゲの形を大ざっぱに取って、消しゴム、指先などで修正を加え。




↑…といっても、私もまだぷにぷに表現はあんまり慣れてなかったりします(汗

とりあえず塗りながら覚えた事としては、
・色ムラはあまり作らない。
・グラデーションは特になめらかに。
柔らかく、可愛く〜と念じながら描く。(何




↑下光は結構描くのが難しいものです。今回も結構悩みました。ウデとかこんなんでいいのかね…


肌は1カゲのみで終わります。カゲを大体塗り終わったら、萌えイラストの基本、頬紅の追加です。



今回は描画モードを乗算に設定したレイヤーの上に、サイズが大きく硬さ0で、不透明度がごく小さい(5〜10%)ブラシを使って描いていきます。




↑この頬紅は、髪の毛の塗りでも使った「別の色を重ねる」作業の延長として捉えて、頬以外にも、肩や指先、カゲの濃い服の内側部分などにちょこちょこっと置いています。

この時、どうしても濃いめになってしまうので、一通り別の色を置いた後は、そのレイヤーの不透明度をちょっと下げておいた方が良いかと。




↑全体的に肌がうす暗い感じがしたので、地のレイヤーに覆い焼きツールを使って仕上げました。うわぁーくどい絵だw


■輪っかを塗る -金属光沢の表現-




↑ くろばといえば金属光沢(ぇ 今回は肩から出てるこの輪っかです。よくよく考えると2つの輪っかそれぞれでレイヤーを分けるべきでしたが、対策はあるので無問題です。

その対策の下準備として、

新しくレイヤーを作ってクリッピングマスク化し、別々に分けて描きたい所(今回は奥側の輪っかにします)を派手な色で塗り潰します。





↑ 塗り方は仮塗りの時と同じように、投げなわで囲み塗り→修正でOK。




塗り終わったら、レイヤーに適当に名前を付けて、非表示にしておきます。↑はregion(範囲)のr。




さて本題。輪っかの塗りです。






今回は輪っかですから、ハイライトとして光る部分もきれいな円形になります。なので、まずは円の形を取るため先程と同様に、範囲を設定します。新しいレイヤーに↑図のようにまずパスで線をつくり、20pxの太めの鉛筆で境界線を描きました。




↑さらに、なじみやすいようにメニュー「フィルタ」>「ぼかし」>「ぼかし (ガウス)...」を5.5pxでかけておきました。




このレイヤーもさっきと同じように、名前を付けて非表示に設定。


さて、以降ベースであるレイヤーに直接色を乗せていきたいと思います。

まず、ハイライトの範囲を作ったレイヤー(r2)を選択範囲に読み込みます。やり方は大丈夫ですね。レイヤーパレット内のr2の所をCtrl+クリックですよ。




↑こんな風になってます。

選択範囲がある場合、描きこみが選択範囲の内部のみに限定されます。なお、選択範囲が見え辛くて描きにくい、という場合はCtrl+Hで選択範囲を解除せずに非表示にすることもできます。

では、この範囲にそって、地のレイヤーに覆い焼きツールを使ってハイライトを入れていきます。




↑ちょっと見えにくいんですけれども。強弱をつけながら焼きを入れましょう。

さて次は今の選択範囲の外側にカゲを入れていきます。

メニュ−「選択範囲」>「選択範囲を反転」によって、今のハイライトの範囲以外の部分が選択された状態になります。ただしこのままだと奥の輪っかも選択されている状態になっていますから、この部分を取り除いてやるのが無難です。



さっき用意した、奥の輪っかの範囲のレイヤーです。レイヤーパレット上の↑の赤丸の部分をCtrl+Alt+クリック。 Ctrl+クリックだとただ単に選択範囲に読み込むだけですが、Altキーを押すとマウスカーソルにマイナスのマークが付く事がわかると思います。この操作によって、選択範囲から奥の輪っかの範囲が取り除かれ、手前の輪っかの部分だけ編集
することが可能になります。

選択範囲を正しくセットできたら、焼き込みツールを使ってカゲを入れましょう。




↑焼き込みツールは覆い焼きの反対みたいなもので、絵を暗くするツールです。ただ暗くするだけじゃなくて、良い質感が出るんですよコレが。




↑金属を描くポイントは、
1.ハイライトとシャドウとの境目を強調する。
2.照り返しを強く意識する。
3.入れ過ぎかな?っていうぐらい覆い焼き/焼き込みをかける。


こんな所ですかね。




↑あと、付け根の部分は範囲を作ったりせず、フリーハンドで直接描いて仕上げました。




さて、奥の輪っかも同様に、ハイライトの範囲のレイヤーを新しく作りました。

ここから選択範囲に取りたいのは、奥の輪っかの範囲(レイヤーr)と、奥の輪っかのハイライトの範囲(レイヤーr3)の共通部分ですね。こんな時は、まずレイヤーr3をCtrl+クリックで選択範囲に読み込んだ後、レイヤーrをCtl+Alt+Shift+クリックで読み込みます。たくさん押すので左手が疲れますが。今度はカーソルに×のマークがついた事がお分かりかと思います。



これにより、『二つのレイヤーの共通部分』を読み込みました。なお、選択する際にはrとr3を逆にしても可です。以下同様に。




このように、『範囲』を描いたレイヤーをいくつか用意し、組み合わせて用いて必要な選択範囲を読み込む事で、複雑な形のレイヤーも難なく色を塗る事ができます。簡単なので是非活用しましょう。


■上着を塗る -行き当たりばったり-



上着はある程度のカゲやハイライトの形をイメージして第5項と同じ感じで1カゲとハイライトまとめたら、一旦レイヤーを結合して、行き当たりばったりで描いていきました。指先、ブラシ、消しゴム、覆い焼き、焼き込み。あらゆる手段を駆使しましょう。ブラシの描画モード「比較(明/暗)」も重宝します。また、こうすることで、色ムラが生まれて単調な塗りにならずに済みます。




塗りが一段落したらやっぱり「覆い焼きカラー」にしたレイヤーで赤や緑など別の色を重ねてみました。

ちなみに、服の黄色いラインは先程の輪っかと同じ塗り方です。

その他、特筆すべき点としては、

・ニーソックスはカゲを付けた後指先ツールで左右になでるようにして『シワ』を作りました。
・クツはトントンと軽く焼き込みツールで斑点みたいなのを作った後、指先ツールでこすって質感を出しました。
・胸や頭部の宝石?は時間かかってるように見えて実は簡単。水彩ブラシ(第4項参照)を使って、覆い焼きツール(範囲:ハイライト)と焼き込みツール(範囲:中間調orシャドウ)で筆圧に強弱をつけつつグリグリやるだけ。変になったらスポンジツールで彩度を調節。 





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そんな感じで、色塗りは完了です。 クツは完成原稿では一部切り取ることを前提で、下の方までは塗ってません。

色塗りが終われば完成まであと一息です。頑張りましょう。