■光源の状態とカゲの付き方
今回は管理人のやる気の無さを象徴したかのようなモデルを使って説明させていただきます。
光源はどこにあるか?をまず考える事で、カゲの付き方は変わってきます。超適当な塗りですが、どのへんに光源があるかだいたいイメージできると思います。
また、「その空間がどの程度の明るさであるか」も重要です。暗い所ではカゲは色が濃く、広めにつきます。「光源以外にまわりから当たってくる光」が少なくなる為です。
■照り返し
てりかえすこと。反射。反照。「西日の──」(広辞苑より)
…これじゃ全く分かりませんね。照り返しとは「陰の奥っかわに、反対側から反射されてきた光が当たって陰がほんのちょっと明るくなること」です。円柱を使って考えてみます。
実践では、カゲをベタで塗った後にほんのちょっとだけ端っこを消しゴムで消すなどして表現します。無視することも多いんですけどね。
■アニメ塗りとエロゲ塗り
カゲをくっきりとした形で描く塗り方をアニメ塗り、消しゴム輪郭をぼかすなどの処理を加えたものをエロゲ塗りといいます。
左がアニメ塗り、右がエロゲ塗り。左はアニメで多用された為に、右はエロゲーで多用された為にこの呼び方。もうちょっといい呼び方を付けて欲しかったんですけどね(w
エロゲ塗りは時間がかかる分、絵を柔らかく仕上げるのに必須なので、私は好んで使ってます。この講座で使っているイラストもエロゲ塗りです。
アニメ塗りは時間を使わずに立体感を表現する事ができますが、初心者向けというわけではありません。むしろアニメ塗りの方が、ものの構造をしっかりと把握してどの部分がカゲになるかをちゃんと理解した上でないと、変な仕上がりになってしまうので注意です。
エロゲ塗りの場合は、照り返しもなるべく意識しましょう。
■ハイライト
「ハイライト」は「シャドウ(カゲ)」の対義語です。ようは明るくなる部分です。
ハイライトの付き方は物の材質によって大きく異なります。ハイライトの入っていない左側の円柱はゴムっぽく、反対に右は金属っぽく見えますね?金属光沢のコツは第六項「シャドウ-髪の毛以外を塗る」で詳しく説明しています。
■カゲの色はどうやって選ぶ?
ブラシツールを使ってカゲを作る時、気になるのがカゲの色の選び方ですが、私の場合は
1.カラーピッカーで地の色のちょっと右下あたりをクリックする
2.焼き込みツールを軽く使ってみて色を拾う
この2つの方法が主です。肌を塗る時は、ほんの少し赤の方向へ色相バーをスライドさせてみるのも良いかもしれません。
他にも「紫色の乗算」みたいな手法も聞くのですが、私がやると全くダメになるので使いません。
カゲの塗りは、はまり出すと奥が深いです。現実をよく見て、どんな風に陰がついているか、観察を怠らない事が重要です。例えば休憩がてら、コーヒーを一杯作った時にも、コーヒーカップにどんなカゲがついているのか、観察してみるのも良い休憩になると思いますよ。