高いポテンシャルを持つが、扱いが少々難しいペンツール。ここではそんなペンツールについて解説します。
ペンツールとはそもそも何なのか?
それは美しい直線曲線を描く為のツールです。
ここでは私くろば流のペンツールの扱い方を教えたいと思います。
■ペンツールの基本
とりあえず使いながら覚えていきましょう。PhotoShopを用意して、適当に新規ファイルを作って下さい。あと分かりやすいように、メニュー「ウインドウ」>「パス」を選んで、パスのパレットも出して下さい。
パスツールを選んだら、オプションパレット内にこういう3つのアイコンがあると思うので、真ん中が選択されているのを確認します。(コレについては後述します)
(07/03/18 同パレット内の「自動追加/削除」のチェックも忘れずに。)
さて、曲線を1本描いてみましょう。ウインドウ内に適当に2点をクリックして下さい。
2つ点(ポイント)が打たれ、線でつながれていますね。今クリックした2つの点が、順に曲線の開始点と終了点になります。とりあえず点A、点Bとでも呼ぶ事にします。
そして、パスパレットのリストに「作業用パス」というのができました。打ったポイントその他、ペンツールでいじったデータは以降ここに格納されていきます。
ここで点A、Bを結ぶ線の上にマウスを合わせると、マウスカーソルの横にプラスのマークが出ると思います。その状態でクリック。
これで先程の開始点と終了点との間にさらにもう1つポイントが打たれたことになります。一緒に出て来たちょっと小さい■の話はすぐ後で。
作ったポイントはCtrl(Command)+ドラッグで動かせます。今作ったばかりの真ん中のポイントをちょっと動かしてみると、
キレイな曲線になりました。
ペンツールで描かれたこういう直線や曲線を総称してパスといいます。今は画面には映っていますが、これはデータだけのもので、印刷したりしても映りません。
ここで、 ポイントから伸びている線の先端の小さい点は「方向点」といい、曲線の曲がり具合を示しています。これまたCtrl(Command)+ドラッグで動かせます。色々いじってみましょう。
一方の方向点を動かすともう一方もぐるぐる動いてきます。ポイントと2つの方向点が一直線に並んでいるという状態を維持してくれている訳で、この状態だと曲線が滑らかにカーブしてくれます。Ctrl(Command)+Alt(Option)+ドラッグでこの状態から抜けられます。
が、正直こんな器用な曲げ方はあまり実践向きじゃないと思います。参考程度に。
さて、別の空白の場所をクリックすると、新たにポイントが1つ生まれ、先程の点Bと結ばれます。(結ばれない場合は、一旦取り消しして点Bをクリックした後にもう1度)新しい点を点Cと呼びます。
点Bの部分がとがっていますね。このとがりを滑らかにしたい時は、点BをAlt(Option)+ドラッグします。
上図のように点Bから均等に方向点が伸びて、点Bも滑らかになりました。点BをAlt(Option)+クリックする事によって、再びとがった状態に戻す事もできます。
あ、あと方向点には上下があって、上下逆だと下図のように変な感じに交差した別の図形になってしまうのでご注意を。
さて、ここで点Aをクリックすると、点CとAが結ばれて、パスが閉じられます。
この状態になると、さっき点Cを作ったように次々ポイントを作って結んで行くということはできません。新しくポイントを増やしたい時は、線をクリックして間に挿入していくしかありません。
さて、ここまで作ってきたパスは「作業用パス」としてデータに収まっていますが、何度も言うようにキャンバスには何一つ描かれていません。実際に描画するには、
1、選択範囲を作成
2、パスの境界線を描く
3、パスの塗りつぶし
のような操作を行わねばなりません。
といってもやり方は簡単で、先程のパスパレットのリスト内の「作業用パス」を右クリック(Control+クリック)すれば、
この様に。
「選択範囲を作成」…文字通りです。パスで囲まれた範囲を選択範囲に読み込みます。
「パスの塗りつぶし」…これまた文字通り。
※上記二つの操作は閉じたパス(囲まれているパス)でなくても使えます。
「パスの境界線を描く」は、パス上をなぞる操作です。なぞる時に使うツールは自由に選べます。ブラシサイズなどの設定はそのまま適用されるので、なぞる前に変更しておく必要があります。
これらの操作はアクションに登録しておいて、パパっと出せるようにしておくのがベターです。
一通りの作業が終わったら、パスの選択を解除して画面から消しましょう。パスパレットのリストの何もない部分をクリックするか、エンターキーを押します。
一旦非表示になったパスも、もう1度パスパレットから選択することで、編集などの操作が可能になります。
あと、この何もパスを選択していない状態で、ペンツールで新しいパスを作ろうとすると、「作業用パス」が再構築され、さっき作ったパスは消えます。連続した作業にはこの仕様の方がありがたいのですが、「せっかく作ったパス、後で使うかも残しておきたい」という場合(また作った方が早いんですがね)は、パレット中の「作業用パス」をダブルクリックして、名前を変えてやると消えずに残ります。
オプションの左のコレについて。
この状態でパスを作ると、下図のように最初からパス内部が塗り潰されたレイヤーが作られます。シェイプを描く時と一緒ですね。
ですが、パスをぐりぐり変形したい時に中を勝手に塗り潰されてはやりづらい事この上ないんで、私は好きじゃないです。
逆に、シェイプを塗り潰さずにパスだけ作る事もできます。
こうして、
こう。
基本は大体これぐらい。実際の作業はこれらを組み合わせればほとんどどうにかなります。いやホントに。あとは色々いじってみて、慣れてしまうのが一番手っ取り早いと思います。