「トルネコの大冒険」というゲームをご存知でしょうか。
「不思議のダンジョンシリーズ」もとい「ランダムダンジョン探索系」ジャンルの火付け役ともなり、後々の「シレン」シリーズなど、様々なゲームが生まれるきっかけとなった、もはや語る必要もないほど有名なゲームだと思います。続編もたくさん出ました。
説明不要かと思いますが、ゲームシステム及びストーリーについて簡単に説明
プレイヤーである商人「トルネコ」は、伝説の秘宝を探すため、迷宮「不思議のダンジョン」へと足を踏み入れる。
地下1Fから始まるこの迷宮のおおよそ30階近くに秘宝が眠っているとされるが、階を潜るごとに敵は強くなり、またアイテムも限られた個数しか持てない。
限られた物資をやり繰りし、敵を乗り越えフロアを探求しながら、武器や防具、道具を補充し、先へ進んでいかなければならない。
なお、この迷宮は潜る度に地形が変化する上に、トルネコのレベルやステータス全てリセットされる。
また上へ登る階段は最下の秘宝を手にするまで現れない。
手に入れたアイテム、鍛えた武器を持ち帰るには「リレミトの巻物」などの特殊なアイテムを使うか、それこそ秘宝を手にしなければならない。
途中でトルネコのHPが0になった場合、(通常は)全てのアイテムとお金を没収され、ダンジョンを追い出されてしまう。
また、トルネコには「満腹度」という数値があり、パーセンテージで示される。
HPは時間(=ターン)毎に1/20ほど回復するが、満腹度は徐々に減って行く。
満腹度が0になるとHPが1ターンに1減少するという恐ろしい状態となるため、トルネコはこれもダンジョン内に落ちているアイテム「パン」を探し出して、胃袋に入れることで満腹度を回復しなければならない。
満腹度を維持するために、危険なダンジョンを歩き回りながら敵と格闘し、囲まれないように位置取りに気を配り、
「今リレミトで戻るか、あと1階進んだら何かあるかも」といった、スリルと隣り合わせの宝探しといったバランスが絶妙に取られた、とてもスリリングなゲームだったと記憶しています。
さてこのゲームでは、主人公トルネコの妻である「ネネ」が登場します。
家で彼の帰りを待ちながら、商人の妻として彼が持ち帰ったアイテムをお金に買え、主人公=トルネコのもう一つの目標である「商人としての成功」という夢のサポートを健気に演じてくれます。
このゲームでは何度も何度もダンジョンに潜ってはリレミト或は死んで帰り、を繰り返す訳ですが、
トルネコがダンジョンへ潜る度、ネネは「あなた、お弁当よ、頑張ってね」と、
トルネコにアイテム「大きなパン」を託します。
「大きなパン」は満腹度を100%回復するアイテムで、これが一つあるだけでダンジョンの探求は心強さが段違いと言っていいほど、頼もしい、有り難いアイテムです。
なんですけどね。
冷静に考えてみて下さいよ
妻が死地に赴く夫に
パン一斤ってどうなの
せめて愛妻弁当にしようよ きっとHPも回復するよ
せめてラップで包んでよ トラップで腐らないように
しかし、満腹度0%の絶望的状態で口に入れる食物は、例え「腐ったパン」でも本当に美味しく感じられるであろう、
そういう事までもしや彼女は予見しているのだろうか……?!
真の勇者とはトルネコではなくネネだったのかもしれない。